ゆるさんの自己紹介

蜀の廖化元倹!長年のわたり蜀を支えた武将の生き様!!

廖化は蜀の武将であり、劉備に仕えて蜀の後期に活躍した人物です。

漫画版三国志では、廖化は関羽の部下として登場し、麦城にて敵に包囲された関羽軍の援軍要請係として単騎で敵陣をくぐり抜け、劉封や孟達に援軍の要請を請います。

結局、関羽軍は呂蒙率いる呉軍に敗れ、関羽もなくなってしまうのですが、援軍要請のために一旦軍を離れていた廖化は難を逃れ、その後諸葛亮の北伐における主力武将として活躍します。

漫画版三国志の読者であれば、諸葛亮の北伐で度々顔を出す廖化を何となく覚えていると思いますが、とはいえ関羽張飛馬超趙雲といった一線級の武将には遠く及ばない小粒の武将であり、人材不足の蜀後期を代表する二線級の武将といったイメージがあるのではないでしょうか?

では、そんな廖化が史実においてどのような活躍をしたのか、具体的にみていきましょう。

長生きの象徴廖化は蜀滅亡まで生きながらえる

史実においても廖化は関羽の配下として登場しますが、関羽が呉軍に敗れた際に呉軍に投稿する点で、漫画とは異なる事績を辿っています。

ただ、劉備のもとに戻りたいために、自分自身がなくなったという虚実の噂を広めて呉からの脱出を図り、夷陵の戦いの際に劉備に出会って帰参するに至りました。

執念で蜀へ戻ったわけですね。

そんな廖化の最大の特徴は、長生きということです。

漫画版三国志では、諸葛亮がなくなる234年までの物語を描いているため、それ以降の蜀の武将の動向を知ることは出来ませんが、実はこの廖化、蜀が滅亡する263年にも在命であり、成都が陥落したことにより鍾会軍に降伏し、移送途中の264年に病気でなくなっています。

関羽がなくなるのが220年であり、その頃に関羽の部下としてすでに蜀の臣下に加わっているため、80歳近くまで生きながらえたことになりますね。

しかも、鍾会軍が蜀に攻めてきた263年には、姜維や張翼とともに剣閣にて鍾会軍を食い止めるために戦っていたことが史実に記されており、70歳を過ぎてなおも戦場の最前線に出ていたことになります。

めちゃくちゃ元気なおじいさんです。

ちなみに、漫画版三国志のもとになった三国志演義では、廖化は黄巾賊の残党として登場し、関羽に心服してその部下になるエピソードが描かれています。

黄巾の乱は180年台中盤に起こったことですから、廖化が黄巾賊の残党だとすると、史実において廖化がなくなる264年には、廖化は100歳を超える長寿ということになってしまいます。

こうした三国志演義の記述も相まって、廖化=長寿といったイメージが定着しました。

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二線級の武将には収まらない蜀後期の主力級将軍

廖化といえば、漫画では諸葛亮の北伐に随行する二線級の武将といったイメージですが、史実における廖化は蜀の後期を代表する将軍の一人として活躍しています。

既に60~70歳の老臣であった250年台には、廖化は張翼とともに左右の車騎将軍の一人に任命されました。

車騎将軍といえば、大将軍、驃騎将軍に次ぐ3番手の将軍職であり、如何に蜀後期が人材難であったとはいえ、そこまでの高官にまで登りつめている廖化は、確かな軍事的才能があったのでしょう。

名声を得ている家柄に生まれたわけでもなく、権力者の外戚というわけでもないのに、ここまでの高位にまで昇った廖化は、歴戦の老将であることを差し引いても、車騎将軍にふさわしい人物だったに違いありません。

実際、史実には、廖化が車騎将軍の位に昇った際に蜀の人々が「前に王平・句扶あり、後に張翼・廖化あり」と語り合ったという記述が残っており、王平ほどの将軍と並び称されているわけですから、廖化がいかに信任された将軍であったか推し量ることができますね。

ちなみに、廖化は諸葛亮なきあと、姜維の北伐に従軍して数々の武功をあげ、それにより右車騎将軍にまで昇進することになるのですが、姜維の北伐に対して真っ向から反対意見を唱えています。

年齢的にも蜀軍の中では最高齢の位置にまできていたでしょうし、他の武将よりも意見しやすかったのでしょうね。

姜維が北伐を強行することで蜀の国力が弱まっていく状況に対して、長年蜀に仕えて呉に捕まった際には執念で蜀に戻ってきた廖化は我慢ができなかったのでしょう。

結果的に、蜀は滅亡の道をたどることになり、大好きだった蜀という国が滅んでいく姿をその目でみることになった廖化の気持ちは計り知れません。

諸葛亮の北伐以降に活躍した武将は漫画で扱いづらい

漫画版では二線級の武将として登場するに過ぎない廖化ですが、史実では蜀滅亡まで生きながらえて確固たる地位を築き上げました。

諸葛亮なきあとに活躍した武将は、諸葛亮在命時までを中心に描いた漫画版三国志ではなかなか日の目を浴びることがありません。

廖化もその一人であり、いぶし銀でカッコイイ武将なのにもったいないなぁなんて思ってしまいます。

漫画では関羽の小間使い的なキャラクターとして登場する廖化ですが、史実において、記録に残っている関羽の最終的な官職が前将軍であるのに対して、廖化の最終的な官職は関羽よりも遥かに上の右車騎将軍なんですよ。

そう考えると廖化に対する印象もかわりますよね。

もちろん、関羽と廖化とでは活躍した時代が違いますし、関羽が前将軍の位を与えられたのは劉備が漢中王となったときであり、まだ劉備が皇帝に即位していない頃だったので、一概に比べることはできませんが。